高松市で感じる設計の息づかい

港町の風と山の稜線に囲まれた高松市は、設計に携わる者にとってまるで教科書のような街です。日々の暮らしの中に、光や風、空間の流れを感じる瞬間があり、それが図面の線一本にも影響を与えてくれます。現場での作業や打ち合わせの最中にも、ふと窓の外を眺めると、この街の持つ柔らかい表情に気づくことがあります。そんな高松市で過ごす中で、私が見つけた設計の魅力を綴ります。

高松市で出会った街全体の教科書

この街は、港からの潮風や路地裏に差し込む光といった日常の風景が、自然と図面に置き換わってしまう不思議な場所です。以前は机上の作業ばかりに意識を向けていましたが、高松市では街全体が空間デザインの参考書のように感じられます。商店街のアーケードの高さ、倉庫の窓の位置、古い住宅の軒の出方など、日常の細部に学びが潜んでいます。気がつけば散歩中にもスケッチブックを開き、街並みをメモしてしまうこともあります。

光と風がつくる高松市の設計条件

平地が多く空が広い高松市では、季節や時間帯で光や風の表情が大きく変わります。冬の朝は山からのやわらかな光が差し込み、夏の夕暮れは海風が通り抜けを促します。こうした自然条件は、線一本、寸法一つにまで影響を与える大切な要素です。時には図面を引き直すほど、その日その場所の空気感が設計に作用することもあります。自然と向き合う時間が、より良い空間づくりにつながるのです。

現場で感じる設計の醍醐味

図面が形となり現場に立ち上がる瞬間は、何度経験しても胸が高鳴ります。高松市の現場は港近くや住宅街の奥など、場所ごとに雰囲気が異なり、その空気感が完成形にも表れます。職人さんの何気ない一言や現場の風の強さが、設計の方向を変えることもあります。街の空気や人の声を図面に織り込むことこそ、この仕事の醍醐味だと感じています。そしてその積み重ねが、この街にまた一つ新しい景色を生み出していくのです。