昔と今の鳶

鳶だけは永遠に続く職業

時代と共に生まれる職業もあれば、消えゆく職業があるのも事実です。スーパーやコンビニ店員は、将来的にAIによって仕事が奪われるかもしれないと言われております。しかしどんなに技術が進んだとしても、どんなにAI技術が進んだとしても、絶対に消えない職業はあるもの。
鳶の仕事は、飛鳥時代の頃から既に確立されていました。当時は「鳶」ではなく「普請業」と呼ばれていましたが、仕事内容に大差はありません。諸説はあるものの、当時の方も高い技術を用いて建物建築に従事したのは、2000年前に建築された建物が証明しております。

鳶の歴史

今のように「鳶」と呼ばれるようになったのは、江戸時代に入ってからのこと。鳶のように梁から梁へと「飛ぶ」ことから、鳶と呼ばれるようになりました。とはいえ、ある日突然誰でも簡単に鳶になれるとは限りません。12歳~13歳で弟子入りをし、下積みを経てようやく鳶の仕事につけるのです。
鳶は職人の世界になるので、大変厳しいもの。8年続けば半人前、10年続けてやっと「一人前」の称号を得ます。10年も続けられる人ほとんどおらず、半数は途中リタイアとなりました。

現代の鳶

現代では、さすがに12歳~13歳での弟子入りは認められていません。高所の作業は18歳以上が絶対条件となっているからです。ただ年齢に決まり事はありますが、学歴に関しては一切問われることはなし。各務原市の鳶では、未経験であってもアルバイトから務めることになります。
ただし鳶の世界に入ってからは、大変なもの。基本的には先輩のサポートをこなしつつも、技術と経験を磨いていきます。

厳しい世界

一昔前と比べると働きやすくなったとはいえ、まだまだ厳しい世界に変わりはありません。仕事の失敗は命の危険と直結しかねないため、厳しくなるのは致し方のないこと。ただ、厳しい世界であるのは鳶だけに限った話ではございません。
どんな仕事でも厳しい部分があるのは事実。厳しい現実を乗り越えるのは大変難しいことですが、頑張れば必ず成果に繋がるでしょう。